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2009年11月26日

東野圭吾『容疑者Xの献身』

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今更感満載ですが、友人に借りて読みました。
春からの藤沢周平祭りはひと段落したので、密やかに東野圭吾を読んでます。

面白かったですね。やはりこの人は文章が上手い。
そして難しくなく、簡単すぎない絶妙なバランス感で上手くまとめる。
エンターテイメント性も高い。
人気作家かくあるべし。

石神は靖子への無償の愛で献身した、という人が多いが自分はそうは思わなかった。
花岡靖子と美里親子は石神にとって聖域だった。
その聖域を守るためなら、自分を犠牲にするのはなんら厭わないし、
自分の才能を生かして彼女達を守れるのなら、これに勝る光栄はなかったのだろう。
石神にとっては、むしろ感謝すべき出来事だったのだ。

靖子と愛し合いたいとか、自分のほうを向いてもらいたいなんて
石神の念頭にはなかったのではないだろうか。
もちろん、ほのかに心の中に憧れとして抱いていたかもしれないが、
現実にそうなりたいとは思っていなかった。
恐れ多いことだったからだ。
それほどまでに母子のことを神聖視していたと思う。

頭脳明晰なところを除くと、石神と自分は共通項が多く感情移入させられた。
孤独、排他性、厭世観、自己否定、など。
石神も僕も生まれてこなかったほうが良かったと思う。
人間いろんな人がたくさんいて、いいのもいれば悪いのもいる。
誰しも幸せになりたいし、負を背負うのは嫌だろう。
自分を客観視して負の要素を多く感じるなら、わざわざ損な役回りはやりたくない。

できることなら、石神を抱きしめてやりたいと思った。

投稿者 metalx : 14:43 | コメント (0) | トラックバック

2009年11月25日

ちょっとええかなぁ

あんなぁ うちなぁ まえからゆおぅおもとってんけどなぁ
あんたのこと めっちゃきになっとってん

なんか みてるだけで どきどきしてきて
おうたら あれはなししよとか これみせたげなとか
いろいろかんがえんねんけど かおみたらぜんぶわすれてしまうねん

おうてへんときでも ぽわんてかんがえてるだけで
なんかこう むねがなぁ あったかなるゆうか

ってうわ うちなにゆぅてるんやろ めっちゃ はずかしわぁ
かおめっちゃあつい あつい
いやぁ いまごろはずかしなってきたわぁ

そやかて ゆぅてしもうたら それまでやんかぁ
なんちゅうか このかんけいがなくなるゆぅかぁ
いままでとちがうかんじになるゆぅかぁ
そういうんが こわかったんよ

でも こんなきもちになるの はじめてやし
やっぱりじぶんのきもち あんたにつたえたかったし
がんばって ゆうきだしてゆぅことにしてん

めいわくやろかぁ いままでのかんけいのほうがええんかな
あんたのきもち ききたいけど こわいきもするし
でも せっかくがんばってゆぅたから やっぱり きもちきかせてください

投稿者 metalx : 17:25 | コメント (0) | トラックバック

2009年11月24日

映画『ゼロの焦点』

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言わずと知れた松本清張の代表作を、犬童一心監督・広末涼子 主演にて映画化。
戦後の激動の時代に、運命に翻弄された人々の悲哀を描いた重厚なドラマ。
一見推理サスペンスの体裁ではあるが、登場人物たちの人間模様が味わい深いため
単なる刑事ものとは一線を画している。

中谷美紀の魂のこもった演技が見事。まるで役柄が憑依したかのようだ。
木村多江の演技も素晴らしい。出番こそ少なめだが、存在感ある演技で生き生きとしている。
派手な演出を抑え、丁寧に物語を描いたところに好感が持てた。
全体的に少し端折っていたため、若干の駆け足感はあるが映画の尺を考えるとしかたないだろう。

広末涼子の稚拙な演技はご愛嬌(笑)。セリフ棒読みのモノローグには苦笑を禁じえないが、
彼女は物語の進行役なのでさほど気にならない。
あまりうまくないCG処理や、海岸線のいやに近代的な崖崩れの防止処理など
所々に詰めの甘さを感じるが、映像も及第点と言える。

投稿者 metalx : 17:27 | コメント (0) | トラックバック

2009年11月20日

『向日葵の咲かない夏』道尾秀介

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会社の人と雑談をしていて、おもしろいから読んでみてと貸されたのだが
目下非常に苦痛な1冊。

つ・ま・ら・な・い。

文章も下手なら嫌悪感を感じる描写も無意味、キャラクターに厚みもなければ
物語の進み具合もトロい。
奇抜な作風で人気?の作家だが力量不足も甚だしい。
はっきり申し上げて才能ないと思う。

全然読み進まないので、会社の人と顔をあわせ辛い・・・

投稿者 metalx : 13:35 | コメント (0) | トラックバック

2009年11月17日

映画『やさしくキスをして』

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ケン・ローチ監督によるラブ・ストーリー。

スコットランド移民のロシンとパキスタン移民のカシムが出会い恋に落ちる。
お互いを求め合うが、2人の間には人種・民族・宗教・文化のぶ厚い壁が立ちふさがる。

無宗教な日本人ではおよそ想像しづらい、違う民族の壁。
お互いが愛し合う気持ちがあっても、本当にこえられないものもあるのだと
いうことを深く感じた。
能天気な日本人なら、愛があればこえられるでしょう?なんて思うのだろうな。

大げさな演出のない、ケン・ローチのリアリズムが物語をグッと引き締める。
ベタなお涙頂戴の純愛ものではなく、現実感を感じさせるドラマに
さすがの手腕を見た。

ラストが見た人によって真逆の受け取り方をしてるのが意外だった。
しかしほぼ原題どおりとはいえ、邦題のセンスのなさは残念。

投稿者 metalx : 11:30 | コメント (0) | トラックバック

2009年11月09日

映画『パイレーツ・ロック』

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会社の同僚に薦められて観ました。

1960年代、イギリスの国営放送が占め出したロックを
24時間放送した海賊ラジオ局の物語。
全編小気味良いロックが流れる中、個性的なキャラクターたちが
ある意味くだらない、でも最高にクールな彼等の日常を垣間見せてくれる。

冷静に見たらむさいはずなのに、なんだかたまらなくカッコイイDJたち。
ファッションもすごくキッチュで確信犯。
「ラブ・アクチュアリー」の監督がアクの強いキャラクターたちを
見事に絡ませてテンポ良くストーリーを進める。
イギリス映画ならではのウィットに富んだセリフまわしも超クール。

カメレオン俳優、フィリップ・シーモア・ホフマンがマジ渋い。
これBlu-ray出たら欲しいなぁ。
やっぱ音楽好きにはたまらない作品。

投稿者 metalx : 14:15 | コメント (0) | トラックバック