« 2010年02月 | メイン | 2013年01月 »

2010年03月31日

『さくら』茨木のり子

%E6%A1%9C.JPG


ことしも生きて

さくらを見ています

ひとは生涯に

何回ぐらいさくらをみるのかしら

ものごころつくのが十歳くらいなら

どんなに多くても七十回ぐらい

三十回 四十回のひともざら

なんという少なさだろう

もっともっと多く見るような気がするのは

祖先の視覚も

まぎれこみ重なりあい霞だつせいでしょう

あでやかとも妖しいとも不気味とも

捉えかねる花のいろ

さくらふぶきの下を ふらふらと歩けば

一瞬

名僧のごとくにわかるのです

死こそ常態

生はいとしき蜃気楼と

投稿者 metalx : 11:25 | コメント (0) | トラックバック

2010年03月30日

『生命は』吉野弘

%E8%92%B2%E5%85%AC%E8%8B%B1.jpg


生命は

自分自身で完結できないようにつくられているらしい

花も

めしべとおしべが揃っているだけでは

不充分で

虫や風が訪れて

めしべとおしべを仲立ちする

生命はすべて

そのなかに欠如を抱き

それを他者から満たしてもらうのだ

世界は多分

他者の総和

しかし

互いに欠如を満たすなどとは

知りもせず

知らされもせず

ばらまかれている者同士

無関心でいられる間柄

ときにうとましく思えることさも許されている間柄

そのように

世界がゆるやかに構成されているのは

なぜ?

花が咲いている

すぐ近くまで

虻の姿をした他者が

光りをまとって飛んできている

私も あるとき

誰かのための虻だったろう

あなたも あるとき

私のための風だったかもしれない

投稿者 metalx : 23:34 | コメント (0) | トラックバック

『八日目の蝉』角田光代

%E5%85%AB%E6%97%A5%E7%9B%AE%E3%81%AE%E8%9D%89.jpg

壇れい主演によるドラマが始まりました。視聴して彼女の切ない演技に涙がこぼれました。

辛い。

原作を読んだときもそうでしたが、辛くて読むのを辞めようかと思ったのですが
読み進めないと希和子も薫も幸せになれないと思い、原作はなんとか読了しました。
当方、男性ですが女性の悲しみというのが痛いほど伝わってくる物語です。

ドラマ版では恵理菜(薫)の将来の姿が最初から出てきており、壇れい&北乃きいの
ダブル主演の形をとっています。

丁寧な演出のドラマなので、後5回、期待してます。

投稿者 metalx : 23:00 | コメント (0) | トラックバック

2010年03月26日

映画『クレイジー・ハート』

crazy-heart.jpg

仕事の試写で観ました。

かつて栄光を見たカントリー・シンガーのブレイクは、今は地方のドサ周りの日々。
アルコールに溺れたその日暮らしを続けるなかで、一人の女性と出会ったのを転機に
人生を再生させてゆく・・・

カントリー、人生の再生、広大な田舎の風景とアメリカ人の大好き要素が満載(笑)。
音楽監修もしっかりしており、ライブ演奏のシーンも素晴らしい。
主演のジェフもミュージシャン活動をしてることもあり、さすがオスカー受賞
といったところ。

公開は6月です。派手さはないが内容のあるいい映画を観たい方はぜひ。

投稿者 metalx : 17:05 | コメント (0) | トラックバック

2010年03月24日

Story of The Year『The Constant』★★★★

The%20ConstantL.jpg

通算4枚目。
エピタフに移籍してから2枚目にあたる今作は、子供たちの声をフィーチュアした
一風変わったM-1から始まり、全編に渡りSTOYサウンドが満喫できる1枚に仕上がった。

今作は前作よりギターのPhilipの歌うハモリパートが増えてる。
メインVoのDanよりいい声で歌が上手いのはご愛嬌(笑)。
アルバム全体の印象としては、前作で確立したSTOY印のサウンドの延長線上。
前作よりはエッジのたった曲より、エモいメロディーの曲の比率がやや多めかな。
サビで大合唱できそうなM-1、M-3、M-10、モッシュの嵐で窒息必死な
M-4、M-8、M-11、Hoobastankみたいな(笑)M-5など、楽曲はさすがのクオリティ。
もはや信頼のブランドだ。
個人的にはM-3のサビの哀愁のメロディーにグッときました。

相変わらずエモメタル/スクリーモ/メタルコア/メロディックハードコアの
絶妙なブレンド具合がたまらない。
エンターテイメント性の強いライブで盛り上がる様子が目に浮かぶようだ。

前作に続き、バンドの充実期をうかがわせる実に素晴らしい内容。
来日を切に願いたい。

投稿者 metalx : 14:55 | コメント (0) | トラックバック

『悪人』吉田修一

%E6%82%AA%E4%BA%BA.jpg

映画化されることもあり読みました。
吉田修一は以前に『パークライフ』を読んだだけで、これといって印象に残る
作家ではなかったのですが、角田光代と同様に素晴らしい変化をしましたね。

出会い系で知り合った若い男女をめぐる殺人事件の話。
これだけだと血なまぐさい話に思えてしまうが、加害者、被害者、加害者家族、
被害者家族、それぞれの友人・・・などの心理描写を丁寧に描き、事件の背景に
あった人々の人生の悲喜に焦点をあてることにより、単なる刑事事件ものとは
一線を画した人間ドラマとして昇華している。

やはり被害者の両親や加害者の祖母など、近親の人間の心情が辛く悲しい。
残された人間の方が辛いのだということをあらためて感じた。
また主人公である加害者の男には、どうしても感情移入してしまう。
親の愛情に恵まれず、他人と関わることに消極的な生きることが不器用な人間。

タイトルにもあるように、悪人とは誰を指すのか。
いや、悪人とは何ぞや?
殺人は罪である。では、殺人を犯した人間は悪人なのか?
もう少し違った環境で生まれていれば、人の温かみに触れていれば、
支えになる何かがあれば、被害者も、被害者家族も、
加害者家族も、そして加害者自身も不幸にならなかっただろうに。

心が痛くなる作品でした。

投稿者 metalx : 14:50 | コメント (0) | トラックバック

2010年03月08日

『ザ・コーヴ』アカデミー賞受賞について

私はベジタリアンです。(ラクト・オボですが)その私から見ても極めて遺憾なのがこの映画の受賞。

アホですね、アメリカ人。呆れます。

そもそも牛や豚は殺して食っていいのに、イルカやクジラは駄目なの?
何その理由。全部おんなじ生き物やんけ。片腹痛いわ。
意味わからんシー・シェパードなんか全員射殺してしまえ。
自分達の主義を押し付ける白人上位主義がこんなところまで蔓延しとる。

よその国の文化にいちいち口出しすんな。
意味不明な理由でイラクやアフガンに武力侵攻した国だけあるわ。

もう一回言うわ。片腹痛いわ。

せめて自分達の正義を主張するなら、作為的な虚偽情報を事実のように盛り込んで
映画見た人間に誤認させるようなことするな。

全く持って意味不明な受賞。アカデミー賞、地に落ちたな。クズです。

投稿者 metalx : 17:38 | コメント (2) | トラックバック

2010年03月02日

Relient K『Forget and Not Slow Down 』★★★★

Forget%20and%20Not%20Slow%20Down.jpg


オハイオのクリスチャン・ポップ・パンクの6th。

ポジティブなフィーリング溢れる良質なメロディー、丁寧に練られたアレンジ、
タイトなアンサンブルといったこれまでの持ち味は本作でも健在。
相違点としてはパンキッシュなエッジのたったギターサウンドがやや後退し、
代わりにアコースティックギターや清涼感溢れるカッティングギターが前面に出てきた。

エモいメロディが増えピアノやアコースティックギターが耳に残るようになったことにより、
MaeやJimmy Eat Worldといったemoバンドをより感じさせるようになった。
相変わらずの良質メロディーセンスと多彩なアレンジがやはり素晴らしく、
繰り返し聞いても飽きのこない丁寧なつくりがいかにも彼ららしい。
アップテンポで軽快なM-1、2、5、7、13は十八番だが、今作ではまるでMaeを思わせる
ピアノエモなM-6、8、15あたりが美しく印象的。
彼らには珍しいM-9、11、12、Linoleumみたいな(笑)M-14なんかも
アルバム全体のいい感じのスパイスになってる。

日本で知名度が今ひとつなのは実にもったいない。
良質なサウンドをつくるバンドなので、よりたくさんの人に是非聴いてもらいたいです。

余談ですがカバー・アートは写真だと思ったらドローイングでした。
ヴォーカルのMattのおじさんの作品だそうです。

投稿者 metalx : 13:45 | コメント (0) | トラックバック