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2012年04月22日

High On Fire『De Vermis Mysteriis』

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カリフォルニアの激重ストーナートリオの6枚目。

これまでもBilly Anderson、Steve Albiniなど名だたるエンジニアと
組んできた彼らが、本作で選んだのはConvergeのKurt Ballou。
激音界で超売れっ子のKurtとバンドとの相性はバッチリで、
Kurt特有のざらついたギターサウンドにメリハリある低音、
ベース音までクリアに聴こえる分離のいいプロダクションは
バンドの凶暴な音像を見事に捉えている。
正直、前2作は音質がクリアすぎてバンド本来の毒っ気を削いでしまい、
持ち味が充分に発揮できていなかったように思う。

冒頭からDes Kenselの地鳴りのごときドラムが響き、Matt Pikeの
分厚いギターが多い被さり、ビリビリ響くJeff Matzのベースが
地面をのたうつ。
分離のいいプロダクションがやはり吉と出ていて、爆走ナンバーも
リズムにメリハリを感じさせて引き締まって聴こえてカッコいい。
もうひとつの持ち味であるヘヴィサイケなドゥームナンバーも、
重低音が効いていて痺れる。
中盤に置いてある英国風味の甘美なメロディーのインストから、
爆撃ドラミングナンバーのM6への流れは強力。
地下臭を多分に含みながらもメジャーにも顔を覗かせた完成度の高さは、
スタイルこそ少し違うが2ndの頃のCathedralを彷彿とさせる。

初期の頃とはまた違い、地下臭さ・猥雑さを備えながらも多様さと
高い完成度を見せる力作。
今後バンドのキャリアを語る上で外せない1枚になると思います。

投稿者 metalx : 18:19 | コメント (0) | トラックバック

2012年04月16日

映画『SHAME -シェイム-』

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感想を言わせていただきますと・・・

「で?」

で終わる映画でした(笑)
以下ネタバレ含みますのでご了承を。

主人公は社会的にも成功し優雅なシングルライフを過ごす男性。
一人暮らしの高級マンションは、誰も片付けていないのにいつも
綺麗でお洒落です。
そんな彼はポルノ動画にポルノチャット、デリヘルに飲み会で
意気投合した女性といろんな形で性に勤しみます。

彼には妹がいます。
他人(恋愛)依存症でリストカッターのメンヘラちゃん。
自分ペースの彼女が居候を始めてから彼の生活は乱されていきます。
兄の会社の上司(妻子持ち)とあったその日にやっちゃう妹。
その後のその男に依存して電話しまくる妹。
ブチぎれて妹に説教しても悪びれない妹。
二人の会話から家庭環境に問題があったことを臭わせる台詞が出てきます。

主人公は会社の女性といい感じになるも、その人に恋愛感情が
芽生えるとチンコ立たないダメ男。
遊びならヤリまくってるのに。

結局、兄妹の家庭環境は明かされず、二人は仲違いしながらも
お互い離れられずになんとなく収まる。

で?だから?
二人ともそんな病気でもなんでもなくない?
特に兄は成功してるただのリア充でしょ。彼女いないだけの。
それも作ろうと思えば作れんじゃん。実際会社の娘といい感じになったじゃん。
なんだかずいぶん贅沢な悩みだなぁ。
ていうか別にセックス依存でもなんでもないよね?
一般的な健康な男性じゃない?

結局最後まで登場人物に感情移入できず、置き去りにされたままの
映画でした。
マイケル・ファスベンダーとキャリー・マリガンが体張った演技してたのに
なんかもったいない気がしましたね。

投稿者 metalx : 01:44 | コメント (0) | トラックバック

2012年04月07日

映画『ラスト・プレゼント』

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大好きな韓国映画。ふと思い出して、久しぶりにレンタルして観ました。
日本でも堂本剛/菅野美穂主演でドラマ化されていましたね。

売れないお笑い芸人と、彼を支える気丈な妻。
お互いの気持ちはすれ違いケンカの絶えない日々。
そんな折り、ふとした出来事で妻が不治の病で余命幾ばくもないことを
知ってしまう夫。
妻は夫に病気のことは一切隠していた。
妻の気持ちを想い病気には気付かない振りをして、一念発起して
芸人の登竜門の番組に挑戦する。
なぜなら、妻が一番好きだったのは、夫が人を笑わせる事だったから。

妻の病気を知り夫が妻のためにしようとした事が、
思いがけず意外な事を明らかにします。
このあたりの伏線の張り方も上手い。
脚本が良くて演出も素晴らしい。
なんか、モデルとなった実話がありそうな話。
本当に感動的なストーリーで、終盤は涙なくして観れません。

話の核とちょっと逸れたところのエピソードが印象的で、
物語に深みを与えている。
作家さんの人生経験に基づいているのかもしれません。
終始シリアスな展開になりそうなところをふっと和ませてくれるのが、
いいキャラクターの詐欺師コンビ。
物語の重要な進行役にもなっています。

主演は韓国の俳優さんで一番好きなイ・ジョンジェと、チャングムで
ブレイク前するのイ・ヨンエ。
特にイ・ヨンエがとてもキュートで魅力的です。

投稿者 metalx : 23:26 | コメント (0) | トラックバック

『HUNTER×HUNTER』30巻

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いやー、感動した。
描き始めて10数年、広げに広げた蟻編で読者も落としどころ
見失ってるのではとすら思っていた。

まさか、ここに来て。
こんな劇的な終わり方をするとは。

未曽有のバイオハザードで始まったキメラアント編は、
人類の、いや生命の尊厳を問う命題に昇華されて終幕した。

王の最期としては、最高の終わり方だったように思う。
電車で読んでて思わず目頭が熱くなって堪えた。
主人公サイドを脅かす敵役として、これほど強大で
これほど含蓄のあるキャラクターがいただろうか。
巻のタイトルにもなっている「返答」はハンター×ハンター
屈指の名話として記憶に残ることでしょう。

王とコムギ、ウェルフィンやブロヴーダたち元NGL組、
コルトとレイナの兄弟、そしてカイトの話と伏線の回収も
上手い落としどころでまとめられていたのも良かった。

冨樫の力量には驚かされる。
待った甲斐あった。
今やジャンプ掲載漫画は年齢的になかなか
読もうとは思わないが、これだけは別。

今の心配はこれだけ密度の濃かったキメラアント編の次の章が、
これを超えられるかどうかということだけです。

投稿者 metalx : 20:51 | コメント (0) | トラックバック

2012年04月03日

『ブエノスアイレス』Blu-ray

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ウォン・カーウァイ監督、レスリー・チャン、トニー・レオン主演の
97年の映画。
個人的に思い入れの強い作品、あきらめていた中でまさかのBlu-ray化。
版権が切れるのでこの機にBlu-ray化されたようです。

作品の概要は省略します。
30代半ばの一番セクシーだったころのレスリーが、見事なはまり役で
伸び伸びと自分自身を演じているかのような本作。
C・ドイルのざらついた質感のフィルムが独特の雰囲気を醸し出します。
トニーはアルゼンチンに着くまで役柄について知らなかったそうですが、
そうとは思えないほどのリアルな役作り。
W・カーウァイはとにかくフィルムを回して役者にほとんど演出もつけず、
簡単にセリフだけ伝えて(時にはなんかしゃべってと)役者の地力を
試すかのような撮影方法だったそうです。
だからかもしれませんが、ウィンもファイも実在の人物のような
リアルで愚かな人間臭いキャラクターになっています。
アストル・ピアソラ、カエターノ・ヴェローゾなど、音楽のチョイスの
センスの良さもカーウァイならでは。

映像については、劇場公開版はもともと鮮明な映像が売りの映画では
ないので、HD化され画質は綺麗にはなっていますが
劇的に変化はしていません。
一方、デジタル復元版は色味も調整され鮮やかではっきりした
映像になっています。
オリジナルのフィルムにはこれだけ情報量があったのか、と
正直驚きました。
劇場公開版では気付かなかった物が多数あって新鮮でした。
トニーが投げた卵の殻、ゴミ箱に入っていなかったんですね(笑)
15年経って初めて気付きました。
劇場公開版は露出を上げてコントラストを強調した、意図的に
粗く作られた映像だったようです。
ただ、どちらが良いかと言われると、好みの分かれるところですね。
劇場公開版の褪せた色味の方が、個人的にはこの映画に
合っている様な気がします。
料理は圧倒的にデジタル復元版の方がおいしそうですが。

また、特典としておそらく宣材用にあったスチール写真を
HD画像にて多数収録。
スライドショーで観ると映画を追想できます。

映画としては何も言うことはありません。
愛蔵版としては、もう少しプラス何か収録して欲しかったというのは
贅沢な望みでしょうか。
あとジャケットはUSブルーレイ版の二人がタンゴを踊っている
バージョンの方が良かった。

投稿者 metalx : 20:23 | コメント (0) | トラックバック

Meshuggah『Koloss』

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スウェーデンの轟音プログレッシブメタルバンドの7th。

前作はこれぞMeshuggahともいうべきサウンドを濃縮した傑作だった。
続く本作は、重厚になったサウンドプロダクションと幅のある曲構成で、
普遍的なヘヴィロックリスナーにもリーチする聴きやすさを備えつつも、
よくよく聴き込んでみるとやはりMeshuggahだと唸らされるような
プログレッシブな構成も維持した意欲的な作風となった。

冒頭はゆっくりした展開から始まる。
まるで刀を構えじりじりと詰め寄る剣豪のようなヒリヒリした緊張感で迫る。
本作は比較的シンプルに疾走するM5や穏やかなギターインストM10のなど、
一点突破型だった前作に比べて緩急つけたバリエーションの楽曲で構成され、
一様に変化があって聴きやすいつくりとなっている。
とはいえ、独特なシンコペーションや複雑なポリリズムを多用したり、
奇怪な音色のギターソロがあったりと、おなじみのMeshuggahサウンドも
健在なのでご安心を。
変則的なリズムの楽曲は相変わらず聞き手のリズム感を翻弄する。
バスドラとギター/ベースがシンクロしたリフ、一人で幾重にもポリリズムを刻む
ドラム、独特な符割りのヴォーカルが産み出す摩訶不思議なグルーヴの
轟音プログレッシブメタルはやはり唯一無二。
前作も濃密で非常に素晴らしい作品でしたが、少々趣が変わるものの
本作もまたとても素晴らしい内容の力作だと思います。

なお、リミテッドエディションのDVDはアルバム制作風景とインドでの
ツアー風景映像で、ライブ映像はさわりだけなのでご注意。
なにより、インドでMeshuggahがこれほど受け入れられてるとは意外だった。

投稿者 metalx : 20:17 | コメント (0) | トラックバック

それにしても。

Meshuggah新譜。
ブエノスアイレスBlu-ray。
HUNTER×HUNTER新刊。
何故、同じタイミングに出る!
それぞれ違うチャンネルでじっくり味わいたいのに。

タロスの神よ!あなたは罪作りだ!
何故ばらけて出してくれぬ!

投稿者 metalx : 00:49 | コメント (0) | トラックバック