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2005年08月30日 | 日陰の本棚

【このささやかな眠り】マイケル・ナーヴァ

こころにしみる上質なミステリ。

ヘンリー・リオス。33歳。
ヒスパニック、ゲイ、アルコール依存症。

アメリカ社会で差別され続ける
マイノリティーに属しながら、
弁護士という地位ではエリート側に立つ
痩せぎすの、黒髪の男。

人生の太陽の季節は過ぎ去り、
喪失感を抱えながら
仕事に没頭する日々。
静かにたぎる青臭い情熱と怒りを、
捨てきれずに
両手ににぎりしめたまま。

麻薬所持で逮捕された
麻薬中毒の若者、
大財閥の御曹司の弁護人となったリオス。

祖父が僕を殺そうとしている。
僕の相続権を無効にするために。
僕を助けて欲しい。
祖父から、そして麻薬から。

若者とのささやかな交情は
季節が秋にうつるころ
終わりを迎えた。
歩道橋の近くの川で、
溺死体となって。

死因は麻薬だと断定し、
捜査を終了する警察。
厄介払いができたと
冷酷に切り捨てる一族。

透明な秋の光のなか
愛する者を失った深い悲しみを胸に
手がかりを追って動き始めるリオス。

「ぼくの求めていたのは正義なのではなくて、
ただ、ヒューへの悲しみのはけ口だったのかもしれない」

一族同士の確執、黒い金、祖父への激しい憎悪。
そして
殺人者の手はリオスにも忍び寄っていた__。

最高のゲイ文学に与えられる
ラムダ・ブック・アワードの
ベスト・ゲイ・ミステリ部門に選ばれた
シリーズ第一弾。

作者のマイケル・ナーヴァは
リオスと同じヒスパニック。
スタンフォード大学のロースクールに入学し
ロス検察庁に入り、本業のかたわら小説を書き始める。
法曹界を知り尽くした作者の面目躍如。
法廷での駆け引きはドキドキもの。
リオスの弁舌にくらくら。

でも、どこかあきらめている
でも、あきらめきれない
リオスの生き様にほれます。
静かに燃える男って、素敵。

4作目まで翻訳済み。
映画化するとしたら誰がいいかなあ。
痩せた、目にうっすらクマのある
黒髪の男。
虚無と情熱とを瞳に宿す男。
だれかぴったりの役者さんいませんか?

コメント

by メタ 2005年09月01日 21:02

ベニチオ・デル・トロ、

で決定でしょう。

by やまさん 2005年09月02日 11:25

なるほどトロさま!しぶくてよいかもです!
(すこしやせていただいて)

御曹司の若者は
最近の人気も考慮して
オーランド・ブルーム?

by メタ 2005年09月03日 14:30

オーリーなぁ。
ガエル・ガルシア・ベルナルなんかどうでしょ。

by laptop i7 lenovo 2011年06月02日 21:13

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by HP i5 laptop 2011年06月09日 13:02

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